井上 典子イノウエ ノリコ |
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所属学部・学科等
- 外国語学部 外国語学科
職名 (資格)
- 教授 2018年 4月 1日
出身学校・専攻
- 神戸女学院大学文学部英文学科 1996年 卒業
- Rockford UniversityDepartment of English 1995年 卒業
出身大学院・研究科
- 京都大学修士課程 文学研究科文献文化学 1999年 修了
- University of Bristol修士課程 MA in Medieval Studies 1999年 修了
- University of Bristol博士課程 English 2002年 修了
- University of Bathy修士課程 MA Diploma in Interpreting and Translating 2005年 修了
- 京都大学博士課程 文学研究科文献文化学 2004年 中退
取得学位
- 修士(MA in Medieval Studies) 1998年 12月 University of Bristol
- 修士(文学) 1999年 3月 京都大学
- 博士(Doctor of Philosophy) 2002年 12月 University of Bristol
- 翻訳・通訳 修士ディプロマ 2005年 11月 University of Bath
研究業績
論文Langland’s Rhythm and the Clock in the Brain(「ラングランドのリズムと脳内時計」記述言語:英語)査読有学術雑誌国際共著Thomas Cable, 井上典子Yearbook of Langland Studies37,,-2023年12月 現在、共同研究を進めているThomas Cable教授との共著論文。本論文は、認知科学と音楽理論の知見を取り入れ、頭韻詩のリズムについて新しい角度から再検証したものである。
論文Eurhythmic Dips in Middle English Alliterative Verse (「中英語頭韻詩における律動的リズムについて」記述言語:英語)査読有学術雑誌単著井上典子Filologia Germanica (Germanic Philology)15, 95-1192023年10月
学会発表The Caesura and the Dip Length at the End of the A-Verses in Piers Plowman(「Piers Plowmanの前半行末の中間休止とリズムについて」使用言語:英語)査読有井上典子International Piers Plowman Society Conference, London 20232023年7月 6日International Piers Plowman Society Conference, London 2023
論文The 'Extra-Long' Dip in the Poems of the Gawain Poet (「『ガウェイン』詩人の作品におけるextra-long dipの考察」記述言語:英語)査読有学術雑誌単著井上典子Chaucer Review58 (2), 232-2582023年4月 前半行(a-verse)において、韻律強勢に挟まれた非強勢音節の数に関する規制があることを発見・実証している。
学会発表14世紀頭韻詩韻律研究の現況と展望 ―『ガウェイン』詩人の作品を中心に―査読有井上典子日本中世英語英文学会 第38回全国大会2022年12月 6日日本中世英語英文学会 第38回全国大会
講演「社会問題を解決するためのクリエイティビティ ~学生の強みを活かして地域の産業活性化を支援~」井上 典子, 卒業生 小島里香 北山尚樹『Adobe Education Forum Online 2021 新しい価値を創造する力を育む大学・専門学校教育~ConsumerからCreatorへ~』2021年8月 11日アドビ株式会社
論文14世紀頭韻詩韻律研究の現況と展望査読無大学・研究所等紀要単著井上 典子Language Studies:小樽商科大学言語センター広報,26,3-142018年1月
学会発表14世紀頭韻詩韻律研究の現況と展望 ―『ガウェイン』詩人の作品を中心に―井上 典子日本中世英語英文学会 第33回全国大会2017年12月
論文14世紀頭韻詩における詩形・韻律と意味査読無大学・研究所等紀要単著井上 典子人文研究 小樽商科大学,134,57-762017年12月
論文The Metrical Role of -ly and -liche Adverbs and Adjectives in Middle English Alliterative Verse: the A-Verse (「中英語頭韻詩におけるlyと-liche副詞・形容詞の韻律的役割―前半行A-Verse韻律構造の観点から―」 記述言語:英語)査読有学術雑誌単著井上 典子Modern Philology114,4,773-7922017年5月 0026-8232本論文の目的は、過去10年間の韻律研究の成果を考慮した上で、1)-licheの韻律的役割を再検証し、2016年の論文'Hiatus and Elision in the Poems of the Alliterative Revival: -ly and -liche Suffixes'で言及した-licheの二つの役割(elision/hiatusを避ける、または韻律上必要な2音節を作りだす)以外に、-liche接尾辞の韻律的役割があるのかどうかを検証し、2)その韻律的役割を明確にすることで、いまだ未知な部分の多い前半行の韻律構造を明らかにすることである。この検証を行うため、14世紀後半に同じ伝統に属している二人の頭韻詩人(『アレクサンダー B』詩人と『ガウエイン』詩人)の作品4つ(Alexander B、 Sir Gawain and the Green Knight, Cleanness, Patience )を取り上げ、その作品で、-ly/-liche接尾辞を持つ形容詞・副詞が、前半行のどの位置で、どのような韻律的環境で使われているかを検証していく。
検証の結果、以下の4点を論証した。
1) 形容詞の-liche接尾辞には3つ目の韻律的役割がある。文法上、-licheに2音節の発音を正当化することが不可能であり、かつ後続音節が子音でelisionを引き起こす韻律的環境でもない場合は、開音節の-lyではなく閉音節の-licheを選択することで、詩の進む速度を落とし、ペースを落とすことによって-liche接尾辞を伴う形容詞と後続する名詞に、より強い強調を与えることができる。その結果、聞き手により鮮やかな印象を生み出す効果がある。
2) 14世紀頭韻詩において、後半行だけでなく前半行においても、-lyか-licheかの選択はrandom(無作為)なものではなく、systematic(体系的)である。
3) 同じ伝統に属する二人の頭韻詩人の作品において、-ly と-liche形容詞・副詞の使われ方を詳細に比較・分析することで、二人の詩人が持つ韻律・文体的(metrical-stylistic)相違を明確かつ正確に立証している。
4) 頭韻詩研究においては、伝統的に、「前半行では、韻律強勢(metrical stress)を持つ音節と韻律的に必要な頭韻を踏む音節は一致しなければならない」と考えられてきた。しかし筆者は、一貫して「韻律強勢と頭韻は必ずしも一致しない」と主張してきた。本論文において-licheの韻律的役割を解明することにより、この筆者の主張を裏付ける証拠を示している。
最後に、前半行において、韻律強勢と頭韻が時々一致しないという現象こそが、14世紀の頭韻詩韻律におけるリズム的・文体的変化とダイナミズムの重要な要素となっているのではないかと主張している。
論文Hiatus and Elision in the Poems of the Alliterative Revival: -ly and -liche Suffixes (「14世紀英詩におけるHiatus とElision―-lyと-liche接尾辞の観点から―」 (記述言語:英語)査読有学術雑誌単著井上 典子Yearbook of Langland Studies30,,75-1062016年12月 14世紀後半といえば、イングランド南部を除く地域では、形容詞および副詞の接尾辞として-lich(eに代わり-lyが幅広く使用され始めた時期である。しかし詩においては、-ly と-lich(eはdoublet formsとして韻律的役割を果たしていた。その一つは、hiatus(母音連続)またはelision(母音省略)を回避する役割である。 -ly は開音節であるが-lichは閉音節である。-ly の後続音節が非強勢で母音またはhで始まる場合、-lich(eが選択される傾向があることが分かっている(Inoue 2002; Putter, Jefferson, and Stokes, 2007)。これは頭韻詩に限らず、チョーサーやガウアーなどの脚韻詩においても、程度の差はあるが、広く観察される(e.g. ‘Bot plenerliche upon ous alle’ Confessio Amantis P. 527)。/i/と後続母音が融合して一音節を形成するelisionの一種、synklisisもチョーサーや頭韻詩によく見られる(e.g. many a, besy a man)。しかし、-ly (/i:/) と後続母音のelision/synklisis は、詳細な議論や検証がされないまま、暗に前提として受け入れられてきたと言える。-lyのelisionは本当に可能であったのだろうか?そこで本論文では、–lyと-lich(eのhiatus とelisionの性質を明らかにした上で、共通した詩的技巧を用いる頭韻詩と脚韻詩の二つの伝統の関係を考察し、現在の頭韻詩研究に新たな視点を提示した。
公開授業チャールズ・ディケンズの 『クリスマス・キャロル』 を読む井上 典子第12回 トリボン読書会2015年12月 18日小樽商科大学 附属図書館小樽商科大学
講演「外国人観光客に役立つ英語マップ・パンフレットとは?」 (「社会貢献活動」参照)井上 典子時代が読める経済・ビジネス講座2015年11月 14日道新ぶんぶんクラブ小樽商科大学札幌サテライト急増する外国人観光客に対応する各種サービスの向上を目的に、全国でさまざまな取り組みが行われ、英語の観光マップ・パンフレット作成はそのひとつである。
2014年、文部科学省の「地(知)の拠点整備事業」の一環として小樽商大の学生と作成した鰊御殿の英語パンフレット、小樽港クルーズ客船の外国人乗船客用観光マップの2プロジェクトの取り組みを苦労話など交え、「外国人にとってわかりやすいマップとは?」をテーマに英語版マップ・パンフレットの更なる充実化を検討した。
講演Work and Life in the UK - As an Interpreter and Translator for Japanese Companies (「英国での仕事と生活―日系企業の通訳・翻訳者として」 使用言語:英語)井上 典子The Otaru University of Commerce English Lecture Series2015年1月 小樽商科大学
学会発表「14世紀頭韻詩の詩形・韻律と意味」井上 典子京大英文学会2012年11月 京都大学大学院文学研究科京都大学
公開授業「英国における仕事と生活:日系企業の通訳・翻訳者として」井上 典子関西外国語大学 「特別リレー講義」の講師2012年関西外国語大学関西外国語大学
論文Restrictions on Dip Length in the Alliterative Line: the A-Verse and the B-Verse(「頭韻詩A-VerseとB-VerseにおけるDipの長さに関する韻律規制に関して」 ISBN: 978-2-503-54302-4 記述言語:英語)査読有学術雑誌国際共著井上 典子, Myra StokesYearbook of Langland Studies26,,230-602012年0890-291714世紀頭韻詩の韻律分析を行い、以前の論文で提案した韻律法則に加え、新たに韻律規制を発見・立証した。この20年で頭韻詩研究は飛躍的に進展し、頭韻詩人たちが、実は同時代のチョーサーと同様、厳しい韻律規制の下で詩作をしていたことが分かってきた。特に、強勢もなく頭韻も踏んでいない音節(非強勢音節)が、実は、頭韻詩韻律において決定的な役割を果たしていることが分かってきており、これまでの研究論文においても、強勢(Metrical stress)と強勢の間に生起する非強勢音節(unstressed syllable)から構成されるDipが韻律構造を明らかにする鍵であることを主張している。本論文では、そのDipの長さ(いくつの非強勢音節から構成されているか)に注目し、頭韻詩において許容されるDipの長さを立証した。この新たな韻律規制の発見により、このルールに従わない詩行は写字生が介入した可能性を強く示唆することになる。従って、将来の校訂作業にとっても有益な指針となり、より作者の書いたものに近いテキストを再構築するのに役立つと考えている。
学会発表Middle English Alliterative Verse: The B-Verse and Its Metrical Structure(「頭韻詩のB-verseの韻律構造に関して」 使用言語:英語)井上 典子第83回日本英文学会 全国大会 北九州大学2011年日本英文学会北九州大学
学会発表Caesura in Middle English Alliterative Verse(「頭韻詩における中間休止に関して」 使用言語:英語)井上 典子Leeds International Medieval Congress (UK) リーズ大学2009年イギリス
著書Approaches to the Metres of Alliterative Verse査読有単行本分担執筆井上 典子University of Leeds3112009年978085316276680年代後半からHoyt Dugganなどの研究により、後半行(b-verse)を支配する韻律規則が明らかになってきた。B-verseの韻律規則が研究者の間で広く受け入れられるようになった現在、いまだ明確な韻律規則が確立されていない前半行(a-verse)の韻律構造を再分析する必要性が高まってきた。そこで、博士論文において(英国ブリストル大学、2002年)、Sir Gawain and the Green Knightおよび他5作品の韻律分析をし、a-verseを支配する新しい韻律規則を提案した。この研究結果の中で、特に、頭韻詩人たちが、Joan Turville-Petreが ‘standard rhythm’と呼ぶ、2つの韻律強勢に挟まれた2(または3つ)の非強勢音節から成るlong dip(/xx/―/は強勢、xは非強勢音節を意味する)のリズムを持つ半行を書く傾向が非常に強いことを強調した。これはただ単に統計的に結論付けられるだけではない。実は、このlong dipの韻律的重要性は、詩人たちがそのリズムを作りだすために様々な手段を意図的に用いていたことからも確認できるのである。この意図的な手段とは、例えば、on molde/ upon molde、to + 不定詞/for to +不定詞、またはlufly / luflych(eといった、doublet forms―同じ意味だが2つの異なる形―の活用である。Sir Gawain、Cleanness、PatienceおよびThe Destruction of Troyにおいて、to/for to + 不定詞が、行のどこで、どのような韻律的環境において使用されているかを分析した結果、1.for toは ‘marked’ form(有標形)であり、ほぼ必ず、韻律の要請に従い、2音節が必要とされる場所にのみ使用され、2.to/for to + 不定詞は、行末またはa-verse末に起きる場合、そのほとんどが、2音節の long dipを形成していることを実証した。しかし、Sir Gawainは一写本にのみ現存していることから、検証結果の信憑性を疑問視される可能性がないとはいえない。そこで本論文の目的は、9の写本に現存するThe Siege of Jerusalemの韻律を検証し、上記の作品から得られた結論を裏付ける証拠を提示することである。Siegeの複数の写本を比較・分析することにより、doubletsの選択が韻律によって決定されていることを立証する。
Siegeの検証結果は、Sir Gawainの結論を裏付けるものである。詩人および少なくとも8名の写字生が、韻律の要請に応じて、b-verseでは韻律条件を満たすために必要なlong dipを形成するため、またa-verseでは、standard rhythm(/xx/)を形成するためにtoおよびfor toの2つの形を最大限に活用していることが確認された。A-verseおよびb-verseにおけるlong dipの構造的重要性、並びにa-verseにおいて、disyllabic interval rhythmを形成しようとする強い傾向―これら2つが、非脚韻頭韻長行詩のリズムとチョーサーの脚韻詩における強勢と非強勢が交互に起きるリズムとの間の決定的な相違点である。Siegeの検証結果は、Sir Gawainの結論を裏付けるだけでなく、これまで繰り返してきた自らの主張有効性を証明するものである。すなわち、非脚韻頭韻長行の韻律構造において、パターンと規則的という内部的一貫性を生み出すのは、aa/ax頭韻型ではなく、このdisyllabic interval rhythmであり、頭韻よりむしろこのリズムが韻律構成においてより根本的、基本的な要素である。
論文The Caesura and the Rhythmic Shape of the A-Verse in the Poems of the Alliterative Revival(「頭韻詩における中間休止とA-Verseのリズム構造に関して」 ISBN: 978-1-84549-479-7 記述言語:英語 )査読有学術雑誌国際共著井上 典子, Myra StokesLeeds Studies in English17,,1-262009年0075-856614世紀中英語頭韻詩の韻律構造における中間休止(caesura)とその役割について論証し、その証拠に基づき、中英語の頭韻詩における頭韻と韻律強勢(metrical stress)の関係を明確化した。中英語頭韻詩の代表的な詩形である非脚韻頭韻長行(脚韻を踏まない頭韻詩)の韻律構造を説明する際、最も標準的な説明は、「中間休止(caesura)によって前半行と後半行の二つに分けられ、各半行はそれぞれ2つの韻律強勢を持ち、通常4つある韻律強勢のうち最初の3つが頭韻を踏む」というものである。このように、伝統的に中間休止が韻律構造に当たり前のように組み込まれていながら、中間休止が持つ韻律構造上の具体的な役割や効果といったことは論じられたことがなかった。近年、頭韻詩の韻律規則を探り出す試みが研究者の間で盛んに行われ、様々な論議が飛び交っているが、矛盾を含む議論も含まれる。その原因の一つに、中間休止を想定しながらもその役割とそれが韻律構造に与える影響・効果について明確にされていないからではないかと考えた。本論文の特徴は、現在の頭韻詩韻律研究における最大の問題点、論争点を明確に提出し、現在まで詳細に議論されたことがなかった中間休止の重要性とその役割を立証した点である。
講演「中英語の頭韻詩」井上 典子日本中世英語英文学会全国大会、研究助成委員会セミナー講師 大阪府立大学2008年日本中世英語英文学会大阪府立大学
著書『ことばの響き- 英語フィロロジーと言語学 -』査読無単行本分担執筆井上 典子東京:開文社2372008年9784875715825
著書『中世イギリス文学入門-研究と文献案内』査読有単行本分担執筆井上 典子東京:雄松堂4542008年9784841904901
学会発表The Avoidance of a Four-Syllable Dip in the B-Verse: Further Considerations(「頭韻詩B-Verseにおける4音節Dipの回避に関する再考」 使用言語:英語)井上 典子Kalamazoo 42nd International Congress on Medieval Studies (USA) イリノイ州 Western Michigan University2007年Western Michigan University Medieval InstituteWestern Michigan University, USA
学会発表-Ly and ーlych(e Adverbs in the Poems of the Alliterative Revival(「頭韻詩における-LYおよび-LYCH(E 副詞に関して」 使用言語:英語)井上 典子第79回日本英文学会 全国大会 慶應義塾大学2007年日本英文学会慶応義塾大学
論文-Ly and -lych(e Adverbs in the Poems of the Alliterative Revival(「14世紀頭韻復興の詩群における-ly/-liche副詞の韻律的役割」 記述言語:英語)査読有その他単著井上 典子日本英文学会第79回大会 プロシーディングス,,28-30-2007年
セミナーゲストスピーカー「中英語の頭韻詩」井上 典子立教大学 英文学科 セミナー ゲストスピーカー2006年11月 27日~2006年11月 27日
学会発表The Metrical Significance of Doublet Forms in Middle English Alliterative Poetry(「中英語頭韻詩におけるDoublet formsの韻律的重要性」 使用言語:英語)井上 典子Kalamazoo 41st International Congress on Medieval Studies (USA) Western Michigan University2006年Western Michigan University Medieval Instituteアメリカ、ウエスタン・ミシガン大学
学会発表The Rhythmic Shape of the A-Verse in Middle English Alliterative Poetry(「頭韻詩におけるA-verseのリズム構造について」 使用言語:英語)井上 典子Leeds International Medieval Congress (UK) リーズ大学2006年イギリス
学会発表Two-Stave A-Verses: Further Consideration (「A-Verseの韻律規制についての再考」 使用言語:英語)井上 典子Bristol Conference on the Metre of Alliterative Verse (UK) ブリストル大学2005年University of Bristol Department of Englishイギリス ブリストル大学
論文A New Theory of Alliterative A-Verses(「頭韻詩前半行の韻律構造に関する新理論」 ISBN: 1-58044-095-9 記述言語:英語)査読有学術雑誌単著井上 典子Yearbook of Langland Studies18,,107-32-2004年14世紀を代表する詩人の1人であるGawain詩人の代表的作品、Sir Gawain and the Green Knightの韻律分析。チョーサーの脚韻詩とは異なり、非脚韻頭韻長行の基礎をなす韻律原則はいまだ未知の部分が多い。本論分では、特に複雑な構造を持つ前半行a-verseを支配する韻律規則の解明を試み、新しい韻律規則を提案した。また本論文で提示した韻律規則を他の頭韻詩、特にGawain詩人と同様傑作を生み出したLanglandのPiers Plowmanに適用し、頭韻の用い方、語彙、文体など多くの点でGawain詩人とは大きく異なるLanglandが、この韻律規則に従っているのかどうかを検証する価値があるのではないかと提案した。
この論文では、今までにない新しい理論を提案し、頭韻詩研究に新しい方向性を与えた。韻律の規則が判明すれば、それは頭韻詩テキストを校正する際に、韻律を新しい判断基準として用いることが可能となることを意味する。つまり韻律規則を発見し、確立することで、テキストの編集(エディティング)分野に大きく貢献する他、テキストの文学的解釈にも新しい視点を与えることができる。また英詩の長い歴史において、頭韻詩は脚韻詩と並ぶ代表的な詩形である。その頭韻詩の性質や構造を明確にすることにより、英詩における頭韻詩の位置付けも変わってくるだろう。したがって、本論文は中英語頭韻詩、中英語文学だけでなく、英詩に関わる研究に大きく貢献するものだと考える。
この論文では、今までにない新しい理論を提案し、頭韻詩研究に新しい方向性を与えた。韻律の規則が判明すれば、それは頭韻詩テキストを校正する際に、韻律を新しい判断基準として用いることが可能となることを意味する。つまり韻律規則を発見し、確立することで、テキストの編集(エディティング)分野に大きく貢献する他、テキストの文学的解釈にも新しい視点を与えることができる。また英詩の長い歴史において、頭韻詩は脚韻詩と並ぶ代表的な詩形である。その頭韻詩の性質や構造を明確にすることにより、英詩における頭韻詩の位置付けも変わってくるだろう。したがって、本論文は中英語頭韻詩、中英語文学だけでなく、英詩に関わる研究に大きく貢献するものだと考える。
学位論文The A-Verse of the Alliterative Long Line and the Metre of Sir Gawain and the Green Knight (Unpublished Ph.d thesis)(「14世紀中英語で書かれた非脚韻頭韻長行のA-VerseとSir Gawain and the Green Knightの韻律」 博士論文 記述言語:英語)査読有その他単著井上 典子ブリストル大学,,-2002年12月 『ガウェイン』詩人の作品の韻律・文体分析。非脚韻頭韻長行の韻律原則、特にいまだ確立していない前半行a-verseを支配する新しい韻律規則を提案した。
学会発表Reading Sir Gawain and the Green Knight: A Study of its Style and Metre(「Sir Gawain and the Green Knight を読む―文体と韻律に関して」 使用言語:英語)井上 典子Leeds International Medieval Congress (UK) リーズ大学2002年University of Leeds Institute for Medieval Studiesイギリス、リーズ大学
論文The Exploitation of Meter for Stylistic Purposes in the Three Alliterative Poems of the Cotton Nero Manuscript(「Cotton Nero写本の頭韻詩3作品における韻律および韻律の文体的な役割と効果」 記述言語:英語)査読有学術雑誌単著井上 典子POETICA58,,77-96-2002年0287-1629Gawain詩人の作品、Sir Gawain and the Green Knight、CleannessおよびPatienceの韻律・文体的特徴および手法の実証。Hoyt Dugganは、1980年代後半から90年代を通し、頭韻詩15作品から抜粋した約13,000行の韻律と統語構造を調査し、後半行b-verseや頭韻を含む、非脚韻頭韻長行の韻律規則を提案した。Dugganは検証したすべての頭韻詩がその規則に従っていると主張したが、頭韻詩人が全く同じ文体をもっていたと考えるのは早計である。特にGawain詩人のように想像力に長けた詩人は、語りにさらに磨きをかけるため、韻律がもつ文体的可能性を最大限に活用した可能性が十分にあるはずである。本論文では、Gawain詩人の3作品に注目し、その中で詩人がどのように韻律を用いて、強調、皮肉といった効果を生み出しているかを実証した。 現在にいたる頭韻詩韻律の研究では、韻律は行が最大の単位で、各行はより大きな文脈という枠組みから切り離され、単独で分析されてきた。本論文では、Gawain詩人のように想像力に長けた詩人の韻律を評価するためには、行を単独で考えるのではなく、その前後の行も一緒に考慮することで、頭韻詩韻律をより総合的に評価することができると実証した点に意義があると考える。また、将来の研究テーマとして、この論文で立証したGawain詩人の韻律・文体的特徴および手法が、他の頭韻詩人たちにも共通して見られるのかどうかを調査することで、14世紀頭韻詩の韻律の特徴をさらに明確化し、同時代の脚韻詩との比較も可能になると考えている。
学会発表The Style and Metre of Middle English Alliterative Poetry(「中英語頭韻詩の文体と韻律」 使用言語:英語)井上 典子JACET 京都セミナー 国立京都国際会館2001年JACET国立京都国際会館
学会発表「Cleanness と Sir Gawain and the Green Knightにおける共通点と連続性」井上 典子日本中世英語英文学会 全国大会1999年
社会活動
- 文部科学省「地(知)の拠点整備事業」 地域志向教育プロジェクト 「小樽港クルーズ客船外国人乗先客用観光マップ作成プロジェクト」 2014年10月 ~2015年3月 31日
- 「大仙公園および環濠エリアを紹介する英語版観光パンフレット ・PR動画作成プロジェクト」 2021年4月 ~2022年2月
- 文部科学省「地(知)の拠点整備事業」 地域志向教育プロジェクト 「北海道指定有形文化財 小樽市鰊御殿パンフレット英語化プロジェクト」 2014年7月 ~2015年3月 31日
- 「外国人観光客に堺の歴史と文化を紹介する散策マップ作成プロジェクト」 2018年12月 ~2020年2月
- 「堺とASEAN諸国の交流史と堺の伝統文化を紹介する英語・日本語版パンフレットの作成 およびSNSを用いた国際都市・堺の魅力を発信するプロジェクト」 2022年4月 ~2023年3月
- 文部科学省「地(知)の拠点整備事業」 地域志向教育プロジェクト 「天狗山と山手エリアのグローバル観光推進への取組」 2015年7月 ~2016年3月 31日
- 「外国人観光客に堺の歴史と文化を紹介する散策マップ作成プロジェクト ~体験型観光メニュー多言語化等支援事業~」 2020年4月 ~2021年2月
- 「万博記念公園観光パンフレットプロジェクト」 2019年8月 ~2020年2月
- 「外国人観光客に役立つ英語マップ・パンフレットとは?」(「講演・口頭発表等」参照) 2015年11月 14日~2015年11月 14日
- 文部科学省「地(知)の拠点整備事業」 地域志向教育プロジェクト 「旧国鉄手宮線で巡る外国人観光客のための小樽散策マップ作成プロジェクト」 2016年6月 29日~2017年3月
- 「社会問題を解決するためのクリエイティビティ ~学生の強みを活かして地域の産業活性化を支援~」 2021年8月 11日~2021年8月 11日
- 「小樽金融機関マップ作成による外国人観光客への”おもてなし”プロジェクト」 2017年4月 ~2017年8月
- 文部科学省「地(知)の拠点整備事業」 地域志向教育プロジェクト 「外国人観光客に小樽の美味しいお魚を紹介するリーフレット作成プロジェクト」 2017年5月 ~2018年2月
- 「堺の伝統文化を利用者目線から紹介する英語・日本語版PR動画作成 プロジェクト」 2022年4月 ~2023年3月
- 岸和田市観光客誘致に関する調査研究(受託研究) 2023年4月 1日~2024年3月 31日